「佐波」
「なんですか?」
「いい加減、敬語はやめろよ」
「あー、これ、もう習慣なんですよねぇ。まあ、いいじゃないですか。あんまり敬ってるつもりもないですし」
「それもどうなんだ。上司命令だからやめろ」
「上司命令にしちゃったら本末転倒ってやつじゃないですか?」
「………確かに」
「まー、徐々にやめますよー」
「……佐波」
「なんですか?」
「そういうことは……1ヶ月経たないとダメなんだよな」
「……それは本気でダメですよ。私、出口縫ってるし、みなみが入ってたところもまだ全然縮んでない(と思われる)んですから!」
「だよな。うん、わかってる」
「頼みますよ」
「善処する。前向きに、うん。努力……しようと思う」
「なんか、言い方に自信なさそうだな!」
「毎晩おまえが隣に寝てて、自信なんかあるか!」
「逆ギレ!?」
二人の恋は始まったばかりです。