未来を懸けて選んだこの道。
私は自信を持って言える。

間違いじゃなかった。
大正解だった。

私は愛する人の妻になり、
愛する娘を産んだ。

そして、私たち家族はスタートを切ったばかりだ。


私と部長は何度もキスを交わし、いつまでも抱き合っていた。
愛と幸福が世界の隅から隅までを埋めていた。


ふと、気付く。
ベビーベッドのみなみが目を開けてこちらを見ている。
私と目が合うと、プイと余所を向いた。
その顔は大人びたすまし顔。


『見ないフリしてあげるわ』


そんなことを言っているように見えて、私は思わずふき出した。









<了>