「ゼンさん、今日はありがとうございました。ごはん美味しかったです。洗い物もやらせちゃってごめんなさい」


「俺は、あんまり家事育児に参加できる父親じゃないかもしれない。だから、やれる時は徹底的にやる」


「気持ちだけで嬉しいですよ」


「あのな、佐波」


「はい?」


部長が立ち上がった。

椅子に座る私の前にやってくると、片膝をついた。
何事だろう。


「どうしちゃったんですか?急に」


「きちんとしたいんだ」


「何をですか?」


「プロポーズ」