「赤ちゃんはお弁当を持って産まれてくるようなものです。ママの母乳が出るようになるまでの数日間、待つことができるんですよ」


夜の交代で現れた助産師長の天池さんが言う。


「でも、赤ちゃんはミルクと比べればよく起きるかもしれません。無理せず、眠りたい時は声をかけてくださいね」


ナースステーションで預かってくれたり、ミルクをくれたりするってことだろう。

大丈夫！私、元気だから！
まだ歩くのは不安だし、悪露も結構出てるけど。


「みなみちゃ～ん、ママも頑張るから頑張って飲もうね～」


娘に呼び掛けながら授乳スタートだ。

片側ずつ10分間……の前にみなみが口を離す。
ふぎゃあと泣くので、慌てて反対側のおっぱいに交代。
ちゅくちゅく吸っては、また泣き出す。

むむう、足りないのかね？お姫様。