「いいのか?佐波」


「こんな良い名前、他にありませんよ!ほら、もうみなみちゃんにしか見えない!」


見れば見るほど相応しい名前に思える。
私と部長の娘にぴったり。

それに、パパの好きな女二人からとったって、素敵なエピソードじゃない!


「美しい白波のように、この子にたくさんの幸せが寄せ来るといいですね」


「ああ、そう思う。子どもって不思議だな。俺はこの子が幸せになってくれるなら、もう何もいらない」


私は部長の腕から、ポンちゃんことみなみを受け取る。
その時に、彼の頬にキスをした。
隙を見てさっと。


「何をおっしゃる旦那サマ。ひとまず三人で幸せになることを考えましょ」


「そうだな。……うん、俺とおまえとみなみで幸せになろう」


一色みなみ。

良い名前だねぇ。
私は愛娘に頬擦りした。