「だが、おまえという人間に好感を持っていることは確かだ。家庭を営む上でも良き相棒になってくれるんじゃないかという期待もある。
俺はあの晩の記憶は全部ある。おまえと話していて楽しかったのは、本当だぞ」


私だって楽しかった。
こんなに和気あいあいと話せる人だったんだ。
もしかして気が合うところもあるのかな?
そんな風に思っちゃったのも、してしまった原因だと思うし。


「梅原、おまえはどうだ?俺のことをどう思う?」


「私は……部長のことがおっかないです」


私は包み隠さず本音を言う。
今はそのタイミングだ。
ここで隠したら、私たちは大事なステップを踏み外すことになる。


「よく、怒鳴られるし、正直苦手でした!でもあの夜、部長と楽しく話せて嬉しかった」


言葉を続けながら私の中で何かが動いていく。
変化していく。

妊娠のせい?
ホルモンのせい?
私は大きな決断をしようとしている。


「今も、赤ちゃんに責任をとろうという部長の言葉を嬉しく感じてます。
部長が一緒にこの子を育ててくれるというのなら、私は未来を懸けてみたいです……!」


これは恋ではない。
ひとつの命への責任。
その重さ。

目頭に溜まっていた涙がぽろりとこぼれた。


「俺たちは夫婦という良い相棒になれるな?」


「はい!なれます!」


涙をぐっと拭って、私は答えた。

私たちは責任を
『家族愛』に変えていくんだ。