これまでは呻くことができた。
でも、今はほとばしる絶叫を抑えきれない。


「うわああああああっ!!いたあああああいっ!!!」


最後の一音まで力の限り叫んでしまう。
私の豹変にたぶん部長はビビッている。それでも、私の手を離さないでいてくれる。


「あ、一色さん、開いてきましたよ。子宮口全開大」


銀縁先生が言う。
時田さんが、私の手を部長からもぎ取り、ささっと分娩台のレバーに移す。


「一色さん、次の陣痛の波がきたら、いきんでみましょう」


いきめ?
もう我慢しなくていいのね!?


「って、今更いきみ方なんて忘れちゃったよぉっ!!っててて、うわああああっ!!痛いっ!!痛いいいいいいいいっ!!!」