「ゼンさん……痛いでしょ?手、もういいですよ」


私が何時間も死ぬ気でしがみつくから、彼の腕だってバキバキに張ってるはずだ。


「気にするな。おまえの痛みと比べたら楽だ」


「無痛にすればよかった」


「じゃ、二人目はそうしよう」


「痛過ぎて考える余裕ない~。ゼンさん、痛いよぅ」


「頑張れとしか言えなくてすまん。でも、ポンのためにも耐えてくれ」


「……はい」


このあたりが本日最後の夫婦らしい会話だった。
ここから先が正真正銘、理性ナシの地獄だったのだから。