「ふーぅぅぅ、うんっ!」


「そうです。最後はもう少し軽く」


「無理言わないで!これが限界!」


ややキレ気味な私。
だってさぁ、そんな冷静に無味乾燥に言われてもさぁ!


「痛いんだってば!時田さんは産んだことあるの!?」


ついに八つ当たりする始末。


「いえ、私は昨年就職したばかりですので、結婚もまだです」


「じゃあ、めちゃめちゃ痛いってわかんないじゃないですかぁっ!」


「お言葉ですが、私はいつか来る自分の出産の前に、何百人ものお産に立ち会います。散々人が苦しむ姿を見てから産む私の方が悲惨だとは思いませんか?」


「だから、なんでそう冷静に分析するかなぁ~!痛っ痛ああああっ!」


「はい、呼吸法ですよ。一色さん」


ちなみにこの女たちのやり取りを、部長はじっと見守ってました。
静かーにね。

また、ひとつ私の本性がバレたね。
うん、いつかきっとネタにされるね。