美保子さんにとっては、亡くなった赤ちゃんの存在証明なのかもしれない。


「いい名前だね」


私が微笑み、美保子さんも嬉しそうに微笑んだ。

ふたりでテーブルについてお茶を飲んだ。
私が持参したおっぱいに良さそうな豆大福がお茶請けだ。


「どう?育児は」


「まだ、ね。わけわかんないうちに一日が過ぎていくって感じ。病院は基本、母子別室だったから、昨日の晩が初めて、一晩一緒だったの。思ったよりよく寝てくれて。気になって、何度も起きちゃった」


「おっぱいは?出る?飲んでくれる?」


「うーん、少しずつ出るようになってるみたい。でも、結構この子が飲むから足りないのかな。ゆくゆくは完全母乳でいきたいから、少しずつミルクは減らしていくつもりよ」


語る美保子さんの姿は、もうすっかりママだ。
なんか、すっごく素敵。
うらやましい!