「あはは、リョーヤと別れた後、上司と付き合ったんだけど、すぐに赤ちゃんができちゃって」


「そうなんや。今、何ヶ月?」


「36しゅ……臨月ってヤツだよ」


週数言ってもわかんないか。
軽く事実を伏せている私は苦笑いするしかない。

リョーヤは感慨深く頷いて、それから真面目な顔になった。


「あのな、一応やで?一応聞くんやけど……」


「なによ?」


「お腹の子、俺の子って可能性は……ないよな?」


私はリョーヤの真面目な顔を見返して、思わず噴き出した。


「ぶはははっ!ナイナイ!それはナイ!私たち、別れる2ヶ月以上前から何もしてないじゃん!」


「そ……そうやな。ハハ、俺、自意識過剰……」


なるほど。
リョーヤが気まずげな顔をしたのは、私を振った罪悪感だけじゃなく、
実は自分の子を妊娠させたまま別れてしまったのでは……と心配だったんだ。