気を利かせてくれたようで、美保子さんは

「お腹が張ってきちゃったから先に帰るね」

と席を立った。


美保子さんが座っていた席にリョーヤが座る。
アイスコーヒーを注文するリョーヤ。
な、なんかすごく変な感じ。

今までのプレママモードが一気に独身時代の頭に戻った。


「どうしたの、こんなところで」


リョーヤの勤め先は西部池袋線沿いの整骨院だ。


「今日はその……結婚式の打ち合わせで……」


「あー!そうなんだ!お相手はハルカちゃんだっけ?……彼女も一緒?」


「いや……そうなんやけど、彼女は今日風邪ひいたとかで俺だけ……」


別れて随分たつのに、元カノの私に気を使って言いよどむリョーヤ。
ホントこいつイイヤツだわ。


「それよか、おまえ!驚いたなぁ!そんな大きいお腹して」