最寄り駅に着き、マンションまで二人で歩く。
なんか、身体が空っぽになった気分。
軽くて、自由で、寂しい。
実際はポンちゃんがぎっちり入ってて、まだまだ重いんだけど。
「明日から無職ですよ~」
試しに言葉にしてみると、やっぱり寂しさを感じる。
大学出てからずっと切れ間なく仕事してきたからなぁ。
花束に顔を埋めて、私はため息。
私の荷物を持った部長が私を見下ろす。
「何言ってんだ。おまえはこれから古今東西、何千年と繰り返されてきた重大業務に挑むんだぞ」
「はぁ、それってーと……」
「出産だよ。おまえは母親。この世で一番尊い職業につく」
母親。
子どもを産み、育てること。
この世界の根元的な事象。
私はそれを担うひとりになるのか……。
「そっか。……良いこと言いますね、ゼンさん」
「だろ?もっと俺を誉め称えてもいいんだぞ」
「よ!大統領!」
「心がこもってない」
部長が私の頭を上からガシッとつかんだ。
なんか、身体が空っぽになった気分。
軽くて、自由で、寂しい。
実際はポンちゃんがぎっちり入ってて、まだまだ重いんだけど。
「明日から無職ですよ~」
試しに言葉にしてみると、やっぱり寂しさを感じる。
大学出てからずっと切れ間なく仕事してきたからなぁ。
花束に顔を埋めて、私はため息。
私の荷物を持った部長が私を見下ろす。
「何言ってんだ。おまえはこれから古今東西、何千年と繰り返されてきた重大業務に挑むんだぞ」
「はぁ、それってーと……」
「出産だよ。おまえは母親。この世で一番尊い職業につく」
母親。
子どもを産み、育てること。
この世界の根元的な事象。
私はそれを担うひとりになるのか……。
「そっか。……良いこと言いますね、ゼンさん」
「だろ?もっと俺を誉め称えてもいいんだぞ」
「よ!大統領!」
「心がこもってない」
部長が私の頭を上からガシッとつかんだ。