「私だって、ずっと好きでした!……ゼンさんが、一色部長が、大好きでしたよう!
ポンちゃんのついでに家族にしてもらえればいいやなんて考えてたけど、一緒にいるうちにどんどん好きになって……女として好いてほしいって……苦しかった!!」


わんわん泣きながら告白する私の背を部長がさする。


「嬉しい……ゼンさんに好きになってもらえて……めちゃくちゃ嬉しい」


「もっと早く言えば良かったな。待たせて悪かった」


部長があやすように言って、私とポンちゃんを抱き締める。
その優しくて、強い力に泣けてくる。



「佐波、ポンが産まれた後でいい。育児に馴れてからでいい。
俺と、恋愛からやり直してくれないか?」



部長の言葉に私はまたボロボロ泣いたけれど、最後に力強く頷いた。



そして、私たちはお互いの目を見た。
どちらからともなくキスをする。

結婚式以来のキスだ。

そして、今度こそ本当に誓いのキスだ。