「これから、出産という大事業に挑んでもらうわけだからな。誕生日くらい労わせろ」


部長は案の定、お高いワインをどんどんグラスに注いで消費していく。
私は乾杯の一杯で十分、堪能したけど。
やっぱ、この人が飲みたかったんだな。
納得。


お料理は本当に美味しかった。
体重管理のためにあっさり和食ばかり食べてた私には、久しぶりのこってりバター味。

油って美味しい……と軽くブタさん発言が出そう。


部長は、ワイン一本くらいで酔う人ではないけれど、お高いワインを飲み切ると、そこからはお酒をやめた。
金額的に心配している様子ではない。

これは、まだ何かあるのかな。


女の勘を働かせてみる。


「少し、散歩するか」


食事を終えると部長が言った。

やっぱり、何かある??