それに、私には仕事がある。

彼氏と別れちゃった以上、次の彼氏だって探したい。

子どもは

いらない。


少なくとも今は。


堕ろそう。

そして、部長には黙っとこう。
いいんだ、お金のことなら。
そのくらいは、
私の負う罰ってことで。



「梅原さん、3番の診察室にお入りください」


私は立ち上がる。



診察室で、おじさん先生と向かい合う。
私は今までで一番神妙な顔をしていたと思う。


「梅原さんは、まだどうするか決めてないんでしたね」


「はい」


でも、堕ろそうとは思ってます。
今日の内診を終えたら言おう。