私は手を伸ばし、彼の左頬からごはん粒を取った。
さすがにぱくっとはしなかった。
恥ずかしすぎる。

でも、酔っている部長が恥ずかしくなることをさらっと言う。


「いいな。新婚って感じだな」


私は今更赤面しながら、

「そりゃ、そーですわ」

とごまかすことしかできないのだ。



私たち、予定通りじゃないか。

責任を家族愛に変えていく計画。

現時点、うまくいってる気がする。


だって、今の私たちには穏やかで優しい相手への気遣いがある。

父として、母として。
思いやりを持ち始めている。