「言われてみれば、森部長の奥方は細身だったな。なるほど、佐波の腹じゃ無理なのか」


酔っているとはいえ、失礼なやつめ!!


「わかったら、どきなさい!」


珍しく私に怒られ、部長はスゴスゴと私の上から退散した。




お水を飲むと、部長は少々正気に戻ってきた様子だ。
着替えながら、ちらちら私を見ている。

私が怒っているか伺っているのだ。


「怒ってないですよ!」


先回りして言ってみる。


「声が怒ってる」


部長が呟く。
あー、めんどくさ!


「怒ってません!私、夕飯まだなんで、お茶漬けで済ませちゃいますけど、ご一緒しますか?」


相変わらず、つんけん言う私に部長が歩み寄ってきた。


「ご一緒します。……驚かせてごめんなさい」


子どもか!

と、思いつつ、その様子がちょっと可愛かったので、
なんとなくほだされてしまう私。

ホント、部長、顔イイの反則ですわ。