お母さんはあなたのことを忘れてなんかいない。


小さな赤ちゃんのままだけど、
ちゃんとお母さんの心にあなたの居場所はあります。



私は涙をこらえ、お母さんの前に屈み込んだ。


「赤ちゃんが産まれたら、また来てもいいですか?」


お母さんはもう何も言わなかった。
瞳はすでに虚ろな色味に戻り、心は遠く旅に出ているようだった。

それでも、ニコニコと頷いていた。
何度も何度も。


私は職員の女性にスカーフとパジャマを渡し、
部長の元に戻った。


部長は中庭の入り口に移動して待っている。
理由はすぐにわかった。

彼の目は涙で真っ赤になっていたからだ。