社長と入ったのは近所の古びた喫茶店。

常連客だけのお店はお昼時でも席があいていた。

私はアイスミルク、社長はアイスコーヒーをご注文。
社長と二人きりなんて初めてだから、少し緊急しちゃうな。


「体調はどうかな?」


「元気、元気ですよ~」


私は胸とお腹を張った。
堂々としたお腹を見て、社長が笑った。


「本当に元気そうだ」


「ごはんは美味しいし、割と動けるし、良い調子です。悩みといったら、明け方にたまに足がつるくらいです」


「わあ、痛そうだね」


「私が『いたーっ!』って叫ぶ度、ゼンさんが起きてくれますよ。『何事だー!』って」


社長が声をあげて笑った。