リョーヤの優しさには今まで随分救われてきた。


……待てよ?


私の最低思考はくるくる回転する。


このお腹の子、リョーヤの子って言えないかな?

だって、正直わかんないでしょ?
妊娠週数のこととか、いつしたから何ヶ月とか。


優しいリョーヤのことだ。

「赤ちゃんできたよ!」

なんて言ったら疑うことなく

「やった!結婚しよう!」

ってなるに決まってる。


そういうヤツなの。
バカがつくくらい真面目な男!

まー、問題は猿系のリョーヤから、顔形の整った子が産まれた時のことだよね。
一色部長、イケメンだからな……。


私が最低な考えを巡らせていた時だ。


「お待たせぇ、ごめんなぁ、佐波」


リョーヤが現れた。


「リョーヤ!」


私は嬉しくて彼に駆け寄る。