ポンちゃんはパパの声に反応して、お腹の中でグルグル動いている。
と、いってももう回転できるほどスペースはないだろうけど。


「ポン、動いてるぞ」


「パパに甘えてるんですよ。すでに女子力を発揮して、悪い女」


「おお、いいぞ。存分にパパに媚を売るがいい」


部長が嬉しそうに笑っていると、私も嬉しい。

思いきって、

だいぶ思いきって、

私は部長の肩に頭をもたせかけてみる。


「甘えてんのか?」


部長が少し意地悪く聞いてくる。
私はツーンと答える。


「別にー。ちょっと疲れただけです」


すると部長がお腹に当てていた左手を私の頭に移動させた。

くりくりと手で髪を混ぜてくる。


「じゃあ、少し休んでけ。台所に立つのが苦しけりゃ、外に食べに行ってもいいぞ」