金曜の夜、私は新宿駅の西口に立っていた。

11月とはいえ、まだ割と暖かい晩だ。

病院に行ってから2日が経っていた。
一色部長がシンガポールから帰るのにはまだ時間がかかる。


一昨日、病院で「妊娠」と告げられた時、おじさん先生は言った。


「再来週にまたきてください」


「はぁ」


「心拍が確認できると思うから。母子手帳もらうなら、それからね」


どういうことだろう。
と思ってネットで検索。

なるほどね、
胎児の心拍が確認できると、初期流産のリスクがぐぐっと下がるわけだ。

しかし、私の頭の中で、
間違いなく望んでいることがある。

このまま自然に流産になってくれないかな。