「でも、部長!もし、ポンちゃんに何かあったら!私……」


私は泣きじゃくっていた。
愛するものを失うかもしれない恐怖。
それが、我が子かもしれない。

私は初めて知った。
この恐ろしい恐怖感。
そして、祈り。

神様、お願いします。
この子が助かるなら、私の命なんかいらない。


「大丈夫だ!」


部長が私を抱き締めた。
お腹を圧迫しないように、上肢を引き寄せた形だけど、その抱擁は力強かった。


「ポンは俺とおまえの娘だ。きっとおまえに似て根性がある!こんなことなんでもない!」


「部長……」


「ポンを信じろ!!」


私は部長の首筋に顔を埋め、何度も頷いた。
部長の匂い。
安心する匂い。

そうだ、信じなきゃ。
そして、しっかりしなきゃ。

私が母親なんだから!