「部長は惜しいなぁ~」


酔っ払った私は調子にのって言う。


「顔は好みなんだけどなぁ~。性格が悪すぎ!惜しいよなぁ~」


「どこが悪ィんだよ!超イイヤツだろ、俺はっ!」


同じく酔っ払った部長がデカイ声で返す。


「Sキャラ過ぎるんですよ!女子には怖いっての!」


「そんな風に感じるおまえが卑屈なんだよ。……俺から見たらおまえの方が惜しい!」


「どこがですか?」


「顔が惜し過ぎる!性格や仕事ぶりは俺の好みなんだがな!あー、残念な女!」


「うっわ、言いましたね!これでもいしはらさとみに似てるって言われたことあるのに!」


「唇の厚さだけじゃないのか?馬鹿め!」


大声で悪口を言い合い、ゲラゲラ笑った。

あー、こんなに楽しく話せる人だったんだぁ。
新発見だ。

私が新しいワインを開けていると、一色部長が私をじっと見てる。