美保子さんと話して数日、ポンちゃんは7ヶ月に入った。
その2日後の日曜、部長が出張から帰ってくる。
私は家中掃除し、前に部長が美味しいって言ってくれたサバの味噌煮といんげんのゴマ和えを作って待っていた。
夕刻、玄関のドアが開いた。
「ただいま」
部長は私の手に謎のお菓子をのせて言った。
見たことないパッケージ。
お土産らしい。
「おかえりなさい」
私はそのお菓子をキッチンに置き、代わりに6ヶ月検診のエコー写真を部長に渡した。
「今回も性別はわかりませんでした」
部長は
「おお」
と呟きしばらく見いっていた。
私は手持ち無沙汰に、それを見つめる。
「ありがとう」
部長が私にエコーを返す。
視線がぶつかった。
「少し腹が大きくなったな」
「そうかもしれません。ポンちゃん30センチくらいありますし、体重も550グラムでした。ペットボトルより重いです」
「……佐波」
部長が改まった調子で私を呼ぶ。