スマホが振動してるのに気付いた。

部長からメールだ。


『身体に障るから、早く戻ってこい』


カッチーン!

ときたよ、私は!


飽くまでもあんたが大事なのはポンちゃんだもんね!!


私はメッセージを返さずに、電話をかける。


「……もしもし、夢子ちゃん?家にいる?」


私がかけたのは、職場の後輩の夢子ちゃん。


「彼氏が来てたら、追い返して!そして、今晩私を泊めて!!」


先輩権限発動だ!

夢子!
私の家出に付き合え!


電波の向こうで、夢子ちゃんが「えー?」と渋った声。


「仕方ないなぁ~、いいですよー」


意外にも簡単にOKがでた。