「遅い」


「こんなもん、クライアントに提出する気か」


「できないなら、即やめろ!」


私がどれだけ必死でも、一色部長の仕事の振り方は変わらない。
そして、当たりのキツさも変わらない。

えぇい、泣くもんか。
負けるもんか。

だって、こいつ以外はイイ職場なんだもん!!


そんな、私と部長が同時に忙しくなったのは9月の末のことだった。
一色部長が丸友不動産の仕事をとってきたのだ。