「だって、そしたらホンマに予定あるってことになるでしょ?」


やけに自信満々な瑠衣の笑顔。

まるで、さも当たり前のことを言っているかのような。


「いや、別に本当に予定入れなくてもバレへんし」

「でも先生、嘘つくのしんどそうやもん」

「それは……」


たしかに、そうだけど。


「んじゃ土曜の昼1時に駅前のスタバ集合、って感じで」

「えっ、なんで」


抗議しようと思ったけれど、遅かった。

瑠衣はさっさと教室に入り、先に座っていた栗島くんたちの席に行ってしまった。


……なんで、勝手に決めるわけ?


言いそびれた言葉を、わたしは口の中でもごもごとつぶやいた。