「あ、はい。3人とも幼なじみです」

「そうなんや」


瑠衣のまわりにはいつもたくさんの生徒たちが集まっている。

その中でもこのふたりは特に親しげだったから、顔は覚えていた。


そっか、
幼なじみだったのか。


納得してうなずきつつ、“もしかして”という疑念がわたしの中に生まれた。

もしかして――

そんなに仲がいいのなら、ホテル街でわたしを見たことを瑠衣から聞いているかもしれない。


「ねえ、片瀬くんは他に何か言ってた?」

「え? いや、水野先生の授業はわかりやすいとか、そんな感じで他は特に」

「そう」


嘘をついているようには見えない栗島くんに、少しほっとする。


そのとき、ふたりの肩越しに瑠衣の姿を見つけた。