「……そうだったんだ」
全部話し終えて一息つくと、美空がぽつりとつぶやいた。
「確かに、蒼唯ちゃんがほんとに死んじゃってたら、私一生自分のこと責めてたと思う」
「でしょ?だから言ったでしょ、美空にとっても恩人なんだって」
あたしの言葉に、美空は静かに頷いた。
「私のせいで蒼唯ちゃんまでいじめられるようになっちゃったのに……。あの時は本当にごめんなさい」
あたしが1ヶ月ぶりに学校に行った時にちゃんと謝ってくれたのに、美空はまだ罪悪感が残っているのか泣きそうな顔をして頭を下げる。
「だーかーらー、もういいんだって。あたしも美空が自分の意思でやったんじゃないってわかってたけど、あの時は自分のことしか見えてなかったの。だからお互い様!わかったら顔をあげなさいっ」
美空の額を指で下から持ち上げるようにすると、「ひゃわっ」という変な声と共に美空の顔が自然と上がる。
驚く美空に笑顔を見せると、美空も次第に笑顔になった。
「ふふっ、それにしても明日から上履きどうしよう?」
「んー、家帰って上履きを洗ったとしても明日の朝までには多分乾かないよね。とりあえず、明日は別の靴で登校して、学校でスリッパとか借りるしかないんじゃない?」