だから、次はあたしが碧を支える番。
「この先、碧が学校へ行くって決めた時はちゃんと教えてね。あたしので良かったら、勇気いっぱいあげるから」
あたしと同じようにいじめが原因で学校へ行かなくなった碧。詳しいことはまだ教えてくれていないけど、小学生の時にいじめに遭ったということを聞いたからそれから今となると、随分長い間学校に通っていないと思う。
あたしでも緊張で震えそうだったのに、あたしよりも長いブランクがある碧が学校に行くのは相当な覚悟が必要だろう。
そこまで考えを巡らせて、あたしはハッとした。
「あれ?もしかして碧、小学校から学校に行ってないってことは……」
小学校も中学校もきちんとしていなければ、高校に入学もしていない。
本気で学校に通おうとしたら、義務教育の小・中学校はまだいいとして、高校は受験から始めなければいけない。
道程は長そうだけど、もし本当に碧が高校に通うなら、同い年の碧があたしの後輩になるということだ。
そう考えると、それはそれで面白そうでついつい頬が緩んでしまった。
「蒼唯。考えてることが思いきり顔に出てるよ」
「えっ!……あ、ごめんね」
少し呆れ顔の碧に、あたしは笑いながら一応謝っておいた。
「受験勉強するなら、あたしが家庭教師してあげるから任せてね!」
経験者だからね、と得意げに言うと、碧は苦笑して。
「うん。お願いします」
そう言ってくれた。