――キーンコーンカーンコーン。


朝のSHRが終わり、1時間目が始まるまでの休憩時間は10分。


清水さんから、呼び出しを受けた。


1年生が使うトイレではなく、体育館の横にある人目につかないトイレに。


何かされるんだろうな、とは思っていたけど、行かなければそれもまたあとが怖い。


仕方なしにそこへ向かうと、いつもの清水さん率いるいじめっ子グループたちと、意外なことに美空がいた。


見て見ぬふりから、とうとうそっちの味方についたのか……。


所詮、人間なんてその程度だ。


ため息をひとつついてから、あたしはだるそうに言った。


「で、何?」


「ふふっ。今日もみすぼらしい姿ね。見てて可哀想になってくるわ」


あなたたちのせいなのですが。
本当に可哀想だと思ってるなら、やめてくんないかなぁ。


「バカと話しているほど暇じゃないんだけど」


ハッキリ言ってやると、カチンと来たのか、清水さんのこめかみがピクリと動く。


「相変わらず威勢がいいのね。自分の立場をわかっていないのかしら」


清水さんが取り巻きたちに合図すると、あたしは一番端の個室へと連れていかれ、閉じ込められた。