「ありがとう、碧。こんなふうに前向きになれたのは碧のおかげだよ」


碧がいつも優しい笑顔で、あたしの隣にいてくれたから。
穏やかな雰囲気で、あたしの話を親身になって聞いてくれたから。


本当に感謝してもしきれない。


「そんなことない。俺は何もしてないよ」


困ったように笑いながら謙遜してしまうのも、碧のいいところのひとつでもあるけど、あたしは本当に碧に助けられたんだけどなぁ。


「いつから行くの?」


「んー……どうしよっかな……」


碧に問われ、あたしはうーんと空を仰ぎながら考える。


早いほうがいいとは思うけど、でもそれにはまだちょっと心の準備が充分ではないし、あまり中途半端な時に戻るのも気まずいなぁと思う。


かと言って、学校へ行かなくなってからなんだかんだもうすぐで1ヶ月だ。これ以上学校に行かない期間が続くと、留年したり卒業後の進路な響いてしまうかもしれない。


「考えてないけど、あんまり遅くなるのは良くないよね……」


ポツリとつぶやくと、しばらく黙っていた碧が、捨てられた子犬みたいな目をあたしに向けてきた。


「どうしたの、碧?」


「いや、ちょっと……」


ううっ、何なんだ碧。
ちょっと可愛いぞ……!