すごく嬉しくて、やっぱり溢れてくる涙を我慢することなんてできそうになかった。
「須藤さん、いい子よね……って、どうしたの?川原さん?」
「大丈夫です……」
「私、何か傷つけるようなこと言っちゃった!?」と慌てる澤田先生に、あたしはぶんぶんと首を横に振って答える。
「先生、ありがとう……」
涙でぐしゃぐしゃのあたしを見て、先生は少し苦笑する。
「お礼を言うなら、須藤さんでしょ。学校へ行って、直接きちんと須藤さんに言いなさい」
以前のあたしなら、こんなことを言われたら嫌だとふてくされていたかもしれない。
でも、今のあたしは、澤田先生の言葉を素直に受け入れることができた。
確かに、美空にもきちんとお礼を言わなければいけないと思う。
手紙みたいなものを書いて、先生に渡してもらうとかもできるかもしれないけど、やっぱり会って言わないと意味がない。
「……わかりました」
「え?」
あたしから発せられた言葉があまりにも意外なものだったからか、先生はこれでもかというぐらい目を丸くする。
「今すぐには無理だけど、学校へ行きます」
怖くないと言えば嘘になる。
でもそれ以上に、学校へ行く大事な目的ができたから。
だから、碧。
休憩時間はもう終わりにする。
頑張って、前に進むよ。