【あの時はごめんなさい。
助けてくれて、ありがとう。】
丁寧な字でそう綴られたメッセージ。
誰から、なんて考えなくてもわかる。
「美空っ……」
自分がやってきたことが生まれて初めて報われたような気がして、涙が溢れてきた。
それと同時に、罪悪感が沸き上がってくる。
“ごめんなさい”なんて、美空が言う必要ない。
本当は頭ではわかっていた。無理矢理やらされたんだと。
でも、裏切られたと美空のせいにでもしておかないと、自分がおかしくなりそうだった。
「だから言ったでしょ、蒼唯」
「うんっ……」
あたしの頬を撫でて、次から次へと伝っていく涙を拭ってくれる碧。
あたしのほうこそごめんね、美空。
美空たちへのあてつけに自分から命を絶とうとしてしまった。
本当にそうしてしまっていたら、美空がどれだけ自分を責めていたことだろう。
一生、美空を苦しめてしまっていたかもしれない。
ごめんなさい、美空。
それから……。
「ありがとう、碧……!」
碧は、あたしと、それから美空の恩人だ。
泣きじゃくりながら“ありがとう”と繰り返すあたしに、碧は微笑む。
それからあたしを抱きしめると、落ち着かせるように頭や背中を優しく撫でてくれた。
それがあまりに心地よくて、あたしはだんたんと瞼が重くなっていった……。