いつものように川へ向かうと、先にいた碧が土手で寝転んでいて。


お昼ご飯にしては少し早い時間だったけど、早く碧の反応が見たくて、会うなりすぐにお弁当を渡してしまった。


「蒼唯?これ……?」


「きょ、今日のお昼ご飯!碧の分の。作ってみたからよかったら食べて」


いきなりのことにびっくりしたのか碧は目をぱちくりさせながらお弁当箱を開ける。


お世辞でも綺麗なお弁当と言える出来ではないけど、ありがとうの気持ちはいっぱい込めたつもり。


「助けてもらったのと、いつもお世話になってるお礼です!」


今までの碧を見てきて、優しい彼ならきっと食べてくれるだろうとあたしは勝手に思っていた。


でも……。



「……ごめん、蒼唯。ほんとにごめんね」



絞り出されたような声で謝られたあと、差し出したお弁当は碧本人の手によって突き返されてしまった。


「え……」


何で、と訴えるように碧を見ると、碧は申し訳なさそうに苦笑してもう一度「ごめん」と謝ってきた。


「俺、ここのとこあんまりお腹すいてなくて食べれないんだ。だから気持ちだけ受け取っておくよ」


確かに、気持ちはいっぱいこもってるから、食べなくても充分伝わるはず。


だから、それでも別にいいんだけど……。


今日早起きして碧の喜ぶ顔を想像しながら、自分なりに一生懸命作ったんだけどなぁ。