我ながらクサイセリフだと思う。


でも、これが俺の心からの気持ち。


俺が生まれ変わって、今度は俺が蒼唯のことを忘れてしまっても、それでも絶対、蒼唯のことを好きになる。


そんな気がした。それほどの気持ちだった。


俺は蒼唯を抱きしめて、蒼唯は俺を抱きしめる。
でも、俺の腕は蒼唯をとらえられない。抱きしめている感覚なんてもうない。それはきっと、蒼唯もそうだろう。


だとしても、蒼唯の笑顔はこの目にしっかりと映っているから、もうそれでいい。



「大好きだよ、碧。
生まれ変わった姿でも、絶対見つけてみせるから。ずっと待ってるから……」



今度は君が、待ってくれるというんだね。


こぼれた涙は、蒼唯の頬に落ちた。


“碧っ……!”


蒼唯が最期に俺の名前を呼んでくれ、それからぎこちなく、俺の唇に蒼唯のそれが重ねられた。


蒼唯……。


短くも優しいキスのあと、俺の体をまぶしい光が包み込む。


「さようなら」


聞こえただろうか、ちゃんと。蒼唯に。


俺の体は宙に舞い、どんどん上空へとあがっていく。
蒼唯は、俺が見えなくなるまでずっと、下から手を振って見送ってくれた。


好きだよ、蒼唯。


今までありがとう。いっぱい、ありがとう。


助けてくれて、出会って、好きになってくれて、ありがとう。


だから、どうか幸せに。
俺の大好きな蒼唯が、この青空の下で、いつも笑って過ごしていられるように。


「空(ここ)から、見守っているからね」


だから、生まれ変わって、もしまた逢えたら、



その時は今度こそずっと一緒に……。





―fin.―