あれから、4年という月日が経っていたらしい。


俺の体は、幽霊のはずなのに何故か成長して、現在高校1年生となった蒼唯の同級生たちと同じような体格になっていた。


幽霊は死んだ時のままだってよく聞くけど、もしかしたら、神様か何かが、いつまでたっても成仏しない俺に少し罰を与えたのかもしれない。


だって、これじゃ蒼唯が俺を思い出してくれる可能性はさらになくなってしまった。


いつまで未練に縛られているのだ。
どうせ彼女は来ないのだから、いい加減諦めろ。
そんな姿でも彼女がお前を思い出してくれた時は、好きにすれば良い。


そんなことを言われているような気がした。


それでも俺は待ち続けた。


好きだの一言を伝えるためだけに。


そして、やっとその時が来たんだ。



「何してるの?」



かつての俺たちが初めて会った時と同様、あの橋の上で、俺たちは再会を果たした。


あの頃よりも、綺麗になった蒼唯。
だけど、その姿には不似合いな、汚い制服をまとって。


振り返った彼女の目には、昔のような光は宿っていなかった。


「あんた……誰?」


うつろな目と、覇気のない声。
何が彼女をここまで変えてしまったのか、なんて、4年間ずっと蒼唯を見守ってきた俺には聞かずともわかっていた。