なんて言うのかな。
あたしがつらいのをわかってても、学校だけは行け、と心を鬼にして言うのかな。
それとも、さすがに行かなくてもいいと言ってくれるのかな。
「……うん、わかった」
すべてを悟ったのか、お母さんは優しく笑って頷いてくれた。
「え……いいの?」
「いいのって何が?お母さんも、蒼唯が家に居てくれたほうがお手伝いしてもらえて助かるもの」
にこにこしながらそう言って、また再びキッチンへ戻るお母さん。
「あ、そうだ蒼唯!ケーキ食べない?今日スーパー行ったら半額になってたから買ってきたの」
「うん、食べるっ」
「じゃあ、着替えてきなさい」
「はーい」と返事をして、自分の部屋へと駆け込む。
急いで着替えてまたリビングへ向かうと、あたしの大好きなチョコレートケーキが用意された。
「わーい!いっただっきまーす!」
一口含むと、チョコレートの甘い味が広がる。
美味しくて自然と笑顔になるあたしを、お母さんは切なそうな顔で見つめていた。
「お母さん?どうしたの?食べないの?」
お母さんは自分の分のケーキを食べようとはしない。
ただただ、パクパク頬張るあたしを見ている。