「碧……」
この空の、ずーっと高いところに天国と呼ばれる場所があって、碧は今そこで穏やかな日々を過ごしているのかな。
たまには、あたしのことを思い出して、見守ってくれたりしてるかな。
「ありがとう、碧」
もう何回も口にした言葉だ。
「ずっと、あたしのそばにいてくれてありがとう」
初めて会った時から、ずっと、いつも一緒にいてくれた君。
「でも、もう大丈夫だよ」
だって、あたしはひとりじゃないから。
「だから……安心してくれていいからね」
碧……。
大好きな人。
あたしの初恋の相手。
二度も、君に恋をしたぐらいだから、あたしにとって碧が、いわゆる運命の人だったんだと思う。
だから、君が生まれ変わっても、きっとまた君と出逢って、あたしは君のことを好きになるだろう。
そうしたらその時は、今度こそ、ずっと一緒にいようね……。
あたしは、ゆっくりと起き上がり「んーっ」と伸びをする。
深呼吸をしたあと、碧と過ごした想い出を胸に大事にしまうと、足取り軽く家路についた……。
―fin.―