……数週間後。
期末テストの結果は、勉強したかいあって、なかなかな成績を取ることができた。
テストが終われば、そのあとの学校の授業は午前中で終わり。あとは、夏休みを待つだけといったところだ。
「蒼唯!美空!夏休み、どこに遊びに行く?」
帰り道。佳乃がスキップしながら、あたしと美空に聞いてくる。
佳乃は夏休みが楽しみで仕方がないといった感じだ。
「そうだなぁ……。やっぱ、定番に海じゃない?」
「あえての山もいいよね!涼しそう!」
あたしの提案に、人に聞いておきながら自分でも発案きてしまう佳乃。
美空はというと。
「わ、私……泳げないのですが……!」
真っ青になりながら、震える声で言う。
「うお、まじか!じゃあ、山で決定かな」
あたしが苦笑しながら返すと、美空がとてつもなく申し訳なさそうな顔で頭を下げてきた。
「ごめんなさい……」
「いいってー。なんなら、泳ぎ教えてあげようか?」
佳乃がにこっと笑って言うと、美空が嬉しそうに顔を輝かせた。
「プールとかなら、泳げなくても安心だよね……。っと、あたし今日は寄るところがあるから」
分かれ道に来て、あたしは佳乃と美空とは逆方向に曲がる。
「わかった。じゃあねー」
「また明日!」
二人と別れると、あたしはバッグの中から、一通の封筒を取り出した。