何これ。何なのよ、これ。


楽しそうにはしゃいでいる二人の女の子と男の子。


あたしが何故こんな場面を見ているのかなんてわからない……けど。


その光景がひどく懐かしく感じて、それと同時に悲しさが押し寄せてきて、わけもわからないまま、あたしは泣いていた。


涙がボロボロと溢れて止まらない。


知ってる。あたしはこの光景、この会話、この男の子のことを、知っているんだ。



「碧っ……」



涙で視界が歪む中、微笑む男の子の名前を呼ぶと、突然今まで見ていた光景が消えて、あたりが真っ白になっていく。


戸惑うあたしの耳に届いたのは、ニュースを読み上げるアナウンサーのような声。



『昨夜、〇〇町と××町を繋ぐ橋の下を流れる川で、小学6年生の男の子が死亡するという事故がありました』



どこから聞こえるのかわからないけど、あたしはその言葉を耳にした途端、激しい後悔の気持ちに襲われた。



『当時、連日降り続いた雨の影響で川は増水しており、男の子は捨て犬を助けようとしたところを溺れてしまい、亡くなってしまったとのことです。なお……』



「いや……もうやめて……!!」


耐えられなくなり、あたしが頭を抱えてそう叫んだ時……。