「去年届いた、三回忌のお知らせよ」


「さんかいき……?」


って、お葬式のひとつの?亡くなった人の為に行う、あの?


去年三回忌っていうことは、あたしが小学6年生の時に亡くなった人ってことか。
でも、あたしの親戚で誰か亡くなった人なんていたっけ?その頃にお葬式に行った記憶なんてまるでない。


不思議に思いながら中身を開けようと、封筒の裏……つまりは差出人が書いてあるほうを見た時だった。


「……っ!?」


その差出人を見た瞬間、あたしは封筒を落としてしまったぐらい心臓が大きく跳ね上がった。


「お、お母さん……。亡くなった人って……。三回忌ってどういうこと……?」


「その手紙がきた時、まだ蒼唯の記憶が戻ってなかったみたいだから渡さなかったの。ごめんね。それで無理に思い出させるのもよくないかなぁと思ってね」


あたしの記憶が戻っていない?どういうこと?あたしって記憶喪失だったの?


まったくついていかない思考。


とにかく、今知らなければならないのは、この手紙に書いてある名前の人と、亡くなった人が誰なのかっていうこと。


「お、おか……さん……」


「ん?」


絞り出した声でお母さんを呼ぶ。


聞かなきゃ……。一体この手紙の差出人は誰で、亡くなったのは誰なのか。