清水さんが怒るのも無理ない。
だって、陰であんなこと言われたあとに謝ってこられても、全くもって意味がわからない。
信じていた人たちに傷つけられたのだから、許してまた今まで通りにしろと言うほうがおかしい。
清水さんの言っていることのほうが普通だ、と思ったのはどうやらあたしだけだったらしい。
「はあ!? 今まで自分がしてきたこと全部棚に上げて、よくそんなことが言えるわね!!」
驚くことに、取り巻きたちが反論してきたのだ。
「今までどれだけあんたの為に協力してきたと思ってんの?いくら無茶なこと言われても従ってきたのは、少なからずあんたも可哀想だなって思った部分があったからで。だからこそ、昨日の発言は良くなかったかなって思ってわざわざ謝ってんのに、その態度はないんじゃないの!?」
清水さんも言い返してくるとは思わなかったのか、目を丸くして戸惑っている。
他の取り巻きたちも同じ気持ちなのか、揃って清水さんを睨み返していた。
それだけならまだここだけの喧嘩だけで済んだかもしれないのに、最悪な事態まで起こってしまったから、あたしは思わず頭を抱えた。
「そうよそうよ!清水さん、散々須藤さんたちいじめてたじゃん!」
「それなのに自分が悪口言われたらキレんのかよ!」
「最低ー!」
口々に言い出したのは、ただの野次馬だったはずのクラスメイトたち。
清水さんたちの問題に口を出してきたうえに、あろうことか、取り巻きたち側の味方になったのだ。