碧の言葉は、すとんとあたしの心に降りてきて。
その綺麗な瞳は、あたしを簡単に素直にさせた。


「あたしの……思う通りに?」


「そう。今はまだその答えがわからないなら、わかるようになるまで待ってみればいい」


「“わからない”も、ひとつの答えだって言うしね」と、碧は悪戯っぽく笑う。


「でも、碧は助けてあげたほうがいいって思ってるんでしょう?」


あの日、あたしにあんなことを言ったぐらいだから、優しい碧はどんな人でも救いの手を差し伸べることを選ぶんだろう。


だけど、あたしの質問に対して返された言葉は意外なもので、思わず拍子抜けしてしまった。


「ううん、別に、そんなこと思ってないよ。俺は、蒼唯が思ってるよりも偉い人間じゃないよ」


「へっ……?そ、そうなの?」


つい、間抜けな声をあげるあたし。戸惑っていることが見て取れたのか、「ごめんね」と碧が謝る。


「あの時の言葉はね、蒼唯ならきっとそうするんじゃないかと思って、背中を押すつもりで口にした言葉だったんだ。蒼唯のことだから、助けたくても『あんな奴!』って感じで変な意地張ってそうだったからね」


そ、そうだったんだ……。
ということは、あの時から碧は、清水さんが抱える闇と、それに対してあたしがどう行動するかがわかっていたんだ……。


本当に、碧には何一つとってもかなわないよ。