窓から強い風が突然吹いてきて、バサバサと机の上に置いた教科書が開いたりページがめくれていく。


クラスメイト達もびっくりしたような声をあげながら、特に女子なんかは乱れないように髪を押さえる。


あたしも、その風に驚いてしまい、思わず掴んでいたテストを手放してしまった。


「あっ……」


そのまま床に落ちる、あたしの答案用紙。


慌てて拾おうとしたが、その前に落ちた場所のすぐ近くに座っていた人に拾われてしまった。


「えっ……すご!95点!?」


見ないで、と言おうとしたけど、一歩遅く。


案の定点数を見られてしまい、その人の大きな声によってあたしの点数はバラされてしまった。


「えー!うそ!すごーい!」


「まじで!?川原さんってしばらく学校来てなかったよね!?」


「どうやって勉強したのー?」


クラスメイトたちがわらわらと集まってきては、そんなことを聞いてくる。


普段は、あたしや美空がいじめられてても知らんぷりなくせに。なんて都合のいい人たちなんだ。


そう思ってしまったけど、清水さんたちのいじめの標的になりたくないから仕方ないんだろうなと考え直して、イライラを抑え込む。


「そんな、普通に勉強しただけだよ」


苦笑しながら、それだけ答えた。