結局、碧の言葉の意味はわからないまま翌日を迎えた。


昨日は、せっかく1日ずっと碧と一緒にいられると思ったのに、碧が突然あんなことを言い出すから気分が落ちてまい、あのあとすぐに家に帰ってしまった。


「それじゃ、中間テストを返却します」


今日は1日の授業は、ほとんどこの前のテスト返却と答え合わせで終わる。


「高校生になって初めてのテストだったと思うけど、皆なかなかの出来だったわよ」


まずは澤田先生の教科のテストの返却から。
今日も綺麗な青空の下、みんなのテストを持った澤田先生が元気良く言った。


ひとりひとり名前が呼ばれ、先生からテストが返される。


先に返された生徒が、「やったー!」とか「親に怒られる!」とか言って騒ぎ出す。


「川原さん」


そんな中、あたしの名前が呼ばれた。


教卓にいる先生のもとまで歩いていき、テストを受け取る。


「よく頑張ったわね」


二つ折にされて渡されたテスト。
中を開く前に、笑顔を浮かべた先生があたしにそう言った。


点数は……95点。


「うそ……」


1ヶ月というブランクがあったにも関わらず、こんな高得点を取れたなんて。


嬉しいよりも驚きの方が大きくて、あたしは思わず声が漏れる。


「この調子で次も頑張りなさい」


そう言って、澤田先生はガッツポーズをしてみせた。


素直に嬉しい……のだけど。


ここでおおっぴらに喜ぶと、清水さんたちに目をつけられてしまう。


自分の中でひっそりと喜ぶだけにしておこう。


そう思った時。