「ねぇねぇ、碧!」
今日は日曜日。3日間のテストも無事に終わり、学校はもちろん休みだ。
あたしは、久しぶりに丸一日碧と一緒にいられることが嬉しかった。
「んー?」
あたしのほうを振り返り、笑顔で首を傾げる碧。
最近は、それだけで胸が高鳴るようになってしまった。
「えっと、あのね!じゃーん!」
なるべく平静を装いながらそう言って、碧に見せたのは携帯の画面。
「……あ!」
あたしがこんなにも嬉しそうにしている理由がわかった碧は、挙手をしてから答えた。
「美空ちゃんのアドレス交換したんだね」
ご名答!
あたしが見せたのは携帯の電話帳のス行のところ。
ス行の一番始めのところに、“須藤美空”という文字が並んで番号やメールアドレスが登録されている。
「へへっ、友達って感じがするでしょ?」
「そうだね。よかったね、蒼唯」
得意気に言うあたしに、碧も自分のことのように喜んでくれる。
「美空と仲良くなれたのは碧のおかげだから、一番に教えたかったんだ!」
あたしがそう言うと、碧は少し目を丸くして、それから少し照れくさそうに頬をかいた。