「藤野ちゃんの気持ちは言ってないから。藤野ちゃんから行動起こさないと!」


「……でも、どうすればいいのかわかんないです……」


ああ、藤野ちゃん、ピュアすぎて可愛い!
何、その何とも言えない顔!


「あ、もうレジ入らなきゃ!」


事務所の時計を見て、藤野ちゃんは慌ててタイムカードを押し、名札を左胸につける。


鏡で今一度髪を整えてから、



「じゃあ、いってきます!」



ピュアな女子高生から、レジに入る時の店員さんの顔になると、藤野ちゃんは颯爽と事務所をあとにし、バックヤードから売り場へ出た。


「……早くくっつかないかねー」


バイト先に自分の恋人がいるなんて、きっと、いや絶対楽しいはず。


だって現に俺は、藤野ちゃんの笑顔を癒しにして仕事頑張っているようなものだもん。
……浮気じゃないよ、断じて浮気じゃないからね。癒しだからね。


しかし……予想外の展開が、藤野ちゃんを襲うことになる。